【書評】NumberDo RUNの学校。
久し振りに読書感想。今回は
Number Doのランニング特集だ。
この時期に毎年出てる。
赤丸を付けたところの一部が特に印象に残っている。
○大迫傑に学ぶ
読者(?)からの一問一答形式。
相変わらずというか、大迫節だな…。
こういう質問をする人の大半は、感情的、あるいは特別感のある回答を期待しているように思う。
だが、大迫選手の回答はそんな期待を裏切る淡々とした回答だ。
特に好きなのはこれだ。
Q「3時間を切りたい市民ランナーがやるべき大迫流トレーニングはありますか?」
おそらく、質問者が期待しているのは、
「3時間切りにはスピードを鍛える必要がある。○○というトレーニングは、スピードを鍛える事ができ、かつ怪我予防にもなるのでやるべき」
と、いった回答だろうか。
ランニング雑誌に出てくるコーチ達がよく言っているやつだ。
だが、大迫選手の回答は
「もし3時間を切るための特別な練習方法がありますという人がいたら、それは嘘です(笑) 以下略」
まぁ、そうだよなとは思う。全体的にこんな調子だ。
正直言って大迫選手の回答が直接、自分の役に立つかと言われれば、そういう回答は少ない。
だが、大迫選手の人となりは分かる。その結果「結局トップ選手であっても特別な事はそこまで多くなく、コツコツと積み上げていくしか無いんだな」ということを再認識できる。
○正しいシューズ選び
シューズ職人として有名な三村仁司氏のご子息、三村修司氏によるシューズ選びについての特集。ある程度のラン歴があってシューズについて自分なりに勉強してきた人(要するに自分)にとっても「なるほど!」と思える内容がいくつかあった。
メーカーによってサイズの基準が若干違うこと。
ランニングシューズの場合はつま先に指一本分の余裕があるのが良いというのはよく言われることだが、それでもシューズの中で足が遊ばないのか、というのは実は気になっていた。それについても書いてあって納得。他にも色々あって結構勉強になった。
○佐藤悠基、石川雄洋対談
佐藤悠基選手は日清食品グループの長距離ランナー、石川雄洋選手はDeNAベイスターズのプロ野球選手。
同郷ふたりの対談。どちらも好きな選手なので、楽しく読めた。
いずれ、お二人が現役引退したら、静岡マラソンとか走ってみて欲しい。
○ファットアダプテーション
概念的には知っていたが、この言葉は初めて知った気がする。
具体的な実践方法も書かれてるので、やろうと思えば出来る気はする。
ただ、この手の理論には若干懐疑的というか、好きになれない自分がいる。
ランニングや運動のみについて言えばこれは非常に理に適っていると思う。だが、自分の本職はITエンジニアだ。知的労働者に括られる。
(自分がどれほど知的かはさておき)知的労働の資源は脳だ。脳は糖をエネルギーにすると理解している。
この手の理論ではインスリンや血糖値の乱高下を下げる事による知的活動への影響はどうなのか?という事があまり言及されない。せいぜい、血糖値が安定するので空腹感や眠気による集中力低下は無いとかそんなレベルだ。この本でもそこまでしか書かれていない。
例えば単純計算テストや記憶力テストをしても能力に差は出なかったとか、そういう結果も無いと不親切だと感じてしまう。
まぁ、やりたくなきゃやらなきゃ良いし、自分で試さないことには納得も出来ない。いずれ試してみよう。(試さずに忘れる可能性が高いが。)
興味はある。
と、中々面白い内容だった。